【豊頃・浦幌】豊頃、浦幌の両町は12日、巨大地震や津波発生を想定した住民の避難訓練を行った。大津漁協(中村純也組合長)による漁船の「沖出し」訓練も合わせて行われ、参加者が万一に備えることの大切さを再確認した。
豊頃町大津地区と浦幌町厚内地区の住民など総勢約170人が参加。コロナ禍で両町とも昨年、一昨年は実施を見送ったため、訓練は3年ぶりとなる。
大津地区では、午前10時に十勝沖を震源とする震度6強の巨大地震が発生し、道太平洋沿岸中部に大津波警報が発令されたという想定で実施。大津漁港から漁船15隻が沖合に向かったほか、住民たちが協力して高齢者らを自家用車などで迎えに行くなどして分乗し、大津市街地から約5キロ離れた国道336号沿いの高台「津波緊急避難場所」(標高40メートル)に避難した。
按田武町長は「大津も最大で22メートルの津波が想定され、35分で到達することが国から示された。今後も命を守る行動を第一にお願いしたい」と参加者に伝えた。非常用持出袋に服用する薬や非常食などを詰めて避難した大橋誠一さん(83)は「すぐに逃げることの大切さを改めて実感した。訓練は今後も継続して行ってほしい」と話していた。
同日は厚内地区でも避難訓練が行われ、住民約30人が避難所4カ所に避難したほか、沖出し訓練では厚内漁港から5隻が出港した。(小縣大輝)