帯広市内の大型店などでは1日から、新年の初売りが始まった。2日には、1月末で創業122年の歴史に幕を下ろす道内唯一の地場資本百貨店・藤丸(藤本長章社長)で最後の初売りが行われ、午前9時半の開店前から例年にない大行列となり、福袋やセール品などを求めてにぎわった。
藤丸では例年より2割ほど多い人出となり、開店時には1200人以上が来店、正面入り口前に並びきれなかった客がふじまるビル裏側まで列をつくった。一番乗りした市内の主婦山口ひろ子さん(68)は午前7時20分から並んだ。「例年、年始あいさつで友人に贈る干し柿のセットを(藤丸で)購入している。閉店は寂しい」と話した。
福袋は全館合わせて3600個を用意。例年よりも初日の完売が多かった。100個限定で事前整理券がすでに完売していた「縁起福袋」(1万円)は、次々と来店客が引き換えに。長年仕事で着るスーツを買ってきたという男性客は「安心して買い物ができる場所だった。最後の記念に」と購入していた。
藤本長章社長は「これほどの客入りは近年はなかった。(1982年の)現店舗ができた直後くらいの勢いで本当にありがたい。1月は社員一丸となって多くの催しを企画、最後まで毎日でも足を運んでほしい」と話した。
出初め式や管内高校書道部による書き初めの展示(藤丸7階)も行われ、正月ムードを演出した。書き初め展示は6日まで。
大勢の見物客が集まった若鳶会による出初め式(2日午前11時40分ごろ、助川かおる撮影)
イオン帯広店やイトーヨーカドー帯広店、長崎屋帯広店、MEGAドン・キホーテ西帯広店、マックスバリュ管内店は1日、ダイイチは2日、フクハラは3日から新年の営業をスタート、福袋や買い得品などをそろえて来店客を出迎えた。(吉原慧、佐藤いづみ)