AI化を基本に全現場のファクトリー化を進める
今までの災害対応を強化するため、昨年4月1日に防災対策部を創設した。もともと各部に防災担当者がいたが、部門になったことで情報が一元化できるようになった。地震というのは予期せぬ時に起こることが多い。海溝型地震の発生も差し迫っている。休みの時でも国や道の災害要請に対応できるように、常に機械が出動できる体制になっている。新型コロナウイルスの感染状況をみながら(地域住民参加の)防災訓練を再開させたい。帯広で4000人、北広島で1000人規模で実施したいと考えている。移動災害本部車の増車や災害用非常用トイレを新規導入し、防災体制をさらに整えている。
2016年の台風災害による日勝峠の災害復旧などでドローンを使って自動施工した。今後の建設業は生産性向上のためAI(人工知能)化、ファクトリー化がキーワード。できれば24時間体制の現場施工をめざしたい。一方で、人による作業は基本。技術の伝承をしなければ、建設業の存在意義はなくなってしまう。作業員の技術を上げることも大事にしていく。
建設業だけではなく、人手不足、少子高齢化は全業種共通の課題。人材確保はこれからのテーマだ。会社は人こそすべてで、一段階上の労務管理をやっていきたい。そして今働く人が良い仕事をするために、どうしたら気持ちよく働いてもらえるかを考える。その点で終身雇用、稼げる職場、自分のためになる仕事内容であることが大事。稼げるという点では、受注環境を整えていく。また働き手にとって満足度のある業務内容を提供できることを大切にしたい。
昨年は創業100年の年だったが、まだまだその実感はない。社長になって約30年。創業90年の時に前が見えてきた思いがあり、私の中では創業10年の感覚だ。コロナ禍でフェイストゥフェイス(面と向かった)の社内コミュニケーションが足りないと感じており、その部分の難しさも感じている。昨年は次の時代に向けての準備を行った1年。今年はそれらを一つ一つ確実に実践していく。安全や品質の確保、人材教育などを具体的に進めていく。
<宮坂建設工業株式会社>
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