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暖冬…スキー場やきもき ゴルフ場は歓迎

青々とした芝の上で楽しむゴルファー(金野和彦撮影、十勝カントリークラブ)

 11月中旬になっても帯広に初雪の便りが届かず、気温が高めに推移するなど、十勝は暖冬傾向となっている。雪と寒さが不可欠のスキー場は一刻も早い白銀の世界到来を切望。一方、青々とした芝生が健在のゴルフ場は、営業期間が延びると歓迎している。

 帯広の初雪の平年値は11月7日で、今年は1週間以上遅れている。昨年は10月23日で、最も遅かったのは1892年の11月24日。今年は初霜と初氷も遅く、それぞれ平年より9日、5日遅かった。ちなみに、帯広の積雪初日の平年値は11月21日。

 帯広の10月の平均気温は平年より1・1度高い11・1度だった。11月に入っても暖冬傾向が続き、4日には最高気温20・1度を記録。これは平年より8・7度高かった。最低気温は氷点下の日もあるが、10日は7・9度と平年より8・1度高かった。

 帯広測候所によると、10月中旬以降は高気圧に覆われる日が多く、偏西風の蛇行などの影響で南からの暖かい空気が入りやすく、寒気の影響を受けにくい状況が続いている。

 暖冬傾向を受け、気をもむのがスキー場だ。サホロリゾートスキー場(新得)は12月1日のオープンを目指し、今月19日ごろから人工降雪機を稼働させる予定。だが、稼働には夜から朝にかけて氷点下の冷え込みが必要で、「作業は気温次第」。リフトは点検を終え、いつでも動かせる状態で、斎藤和則支配人は「20年前は11月20日すぎにはゲレンデで滑れた。暖冬傾向は心配」と雪を切望する。

 19日にリフトを取り付ける予定の新嵐山スカイパーク・メムロスキー場(芽室)も、初雪の遅さを気に掛ける。相馬光明支配人は「12月15日のオープンを予定しているが、今のままでは心配。人工降雪機を稼働させる12月頭には冷え込んでほしい」と話す。

 ただ、今月13日に今季営業を終えたパークゴルフ(PG)場の11月利用は、気温が高いこともあり10%ほど増えた。「レストラン利用も多く、ありがたかった」(相馬支配人)と複雑な心境のよう。



 暖冬の恩恵が大きいのは、「雪が降ったら営業終了」(関係者)というゴルフ場。昨年は多くが11月17日に終了したが、今年は営業期間が延びそうだ。

 十勝カントリークラブ(音更)は今月に入っても土・日曜の予約が多く、天気が良い平日は当日予約も増えている。「最低気温が下がらず霜が降りないので、芝も良い状態」と小田和則キャディーマスター。帯広白樺カントリークラブ(同)も予約が好調で、雪が降っても解ければ営業再開できるため、気温にも注目している。

 農業関係者も暖冬を歓迎している。畑作農家は雪がないおかげで、畑起こしが順調に進んでいるからだ。秋に畑を起こすと春の作業が少なくなるほか、雪解け遅れで農作業に影響が出る心配が少なくなる。

 音更町の宮村透さん(41)は、14日で全ての畑起こしを終えた。「11月上旬に雪が降ると、作業が終わらないこともある。春に起こすと土がこなれない感じがあるので、順調に進むのはありがたい」とし、来年の豊作を願った。
(池谷智仁、澤村真理子、伊藤亮太)

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