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22年に法人経営統合 帯畜大など3国立大

運営法人の経営統合に合意した(左から)和田学長、奥田学長、鈴木学長

 帯広畜産大学、小樽商科大学、北見工業大学の3国立大学の学長は29日に札幌市内で会見し、運営法人の経営統合で合意したと発表した。2022年4月に、経営統合した国立大学法人「北海道連合大学機構(仮称)」を帯広市に設置。同法人が3大学を設置運営する形で、各大学の名称は変わらない。経営効率化で教育研究機能を強化し、農商工という各大学の強みを融合した連携事業を進め、道内の経済・産業発展に貢献する。

 帯畜大の奥田潔学長、小樽商大の和田健夫学長、北見工大の鈴木聡一郎学長が同日、経営改革推進に関する合意書に調印した。奥田学長は「キーワードは、実学を担う3大学が北海道の未来に貢献すること。3大学の特徴を生かし、教育研究機能を強化していく」と語った。3大学の教育研究活動や人事などは自主性・自律性を確保する。希望があれば、他の道内国立大の参加も受け入れる。

 統合により、各大学の経営機能や業務を集約し、合理化した人員や資金を教育研究分野に配分する。遠隔講義による3大学の教養科目の共通受講、学生が相互に移動する短期滞在型体験学習なども検討する。

 さらに、3大学の強みを融合した連携を進める。例えば、冬季スポーツ研究開発拠点の形成では、北見工大が競技力向上のための用具開発、帯畜大は機能性食品開発でアスリート支援、小樽商大は産業発展に向けたマーケティング手法開発を担う。また、ICT(情報通信技術)に強い北見工大と帯畜大の連携で、大型農業機械の研究開発につながる可能性が高まる。小樽商大の知見を活用し、社会人を含め経営感覚を持った人材育成にも取り組む考え。

 今年度中に各大学に経営改革推進室を設置するなど、詳細は今後の協議で詰める。和田学長は「専門性に特化した単科大学の存在感を示したい」、鈴木学長は「ユニークで実行力ある教育ができると期待している」と話した。

 3大学は2年前から、小樽商大を軸に、国際化時代の畜産業発展やオホーツク圏の観光活性化などの連携事業を実施。連携を進化させるため、4月以降に集中協議し、経営統合の道を選んだ。3大学の位置関係などから、帯広に統合後の法人を置く。

 国立大学法人法では、1法人が1大学を運営するよう規定されている。文部科学省は経営合理化のため、1法人が複数の大学運営を認める法改正を検討している。(池谷智仁)


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