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池田町に椅子張り工房オープン 元職人の野々村さん

工房と野々村さん。かつて黒板だった壁には約300種類の糸が並ぶ

 【池田】十勝管内でも数少ない椅子の張り替え工房が今月、町旭町3にオープンした。宮内庁の椅子などを手掛けるミネルバ(東京)の支所「ミネルバ十勝」元職人の野々村真太郎さん(46)=音更町出身=が、念願の開設を果たした。工房名は「コレカラ」。野々村さんは「良いものを長く大事に使ってもらいたい」と話している。

 小さい頃から手先が器用と言われていた野々村さんは20歳の時、都内のデザイン専門学校に入学し、4年間、プロダクトデザインについて学んだ。在学中に雑誌でミネルバの宮本茂紀会長(創業者)を知り、ほれ込んだ。

 仕事の話も舞い込んだが、都会に住むイメージが湧かず、卒業後は帰郷。翌年の1997年にミネルバの支所が帯広にオープンすると聞き、当時勤めていた会社を辞めて入社した。一から技術を学び、椅子張りの1級技能士の資格を取得。約18年勤め、その間、国会議事堂の椅子の修復などを手掛けた。

 2日にオープンした工房は、もともとはそろばん塾だった約33平方メートルの戸建て。中にはソファ用のロングアームミシンなど、用途に合わせた4台のミシンが並ぶ。教室の名残も生かし、かつて黒板だった壁面に約300種類の糸を配置した。

 工房名は、仮で付けていたものを友人らに勧められて決めた。「コレカラは始まりの意味もあり、未来のある言葉。気に入ってもらえてうれしい」と野々村さん。ゆくゆくは十勝からオリジナルのソファを出す展望も持ち、宮本会長と誓った夢だという。「食や観光に加え、形に残るもので十勝をPRできる工房に成長していければ」と話している。

 営業時間は午前9時~午後5時。日曜定休。問い合わせは野々村さん(090・6212・1187)へ。(牧内奏)

関連写真

  • かつて黒板だった部分に約300種類の糸が並ぶ。「十勝らしいオリジナルのソファーを手掛けたい」と話す野々村さん。右は息子の太茂(たも)君。

    かつて黒板だった部分に約300種類の糸が並ぶ。「十勝らしいオリジナルのソファーを手掛けたい」と話す野々村さん。右は息子の太茂(たも)君。

  • 池田町内に新設した椅子張り工房コレカラ

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  • かつて黒板だった部分に約300種類の糸が並ぶ。「十勝らしいオリジナルのソファーを手掛けたい」と話す野々村さん

    かつて黒板だった部分に約300種類の糸が並ぶ。「十勝らしいオリジナルのソファーを手掛けたい」と話す野々村さん

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