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PTA活動痛快に 浦幌出身神田さん新著

最新小説「七色結び」を出版した神田さん

 【東京】浦幌町出身で講談師・小説家の神田茜さんが、最新小説「七色結び」(光文社)を出版した。自身の経験に基づき、PTA活動にまつわる人間模様をユーモラスに描いた。「PTA以外にも、子育てや家庭、仕事などの悩みを抱え込まずに笑い飛ばす後押しになれば」と話している。

 神田さんは1985年に講談師の2代目神田山陽さんに入門し、95年に真打ちに昇進した。2010年に「女子芸人」で第6回新潮エンターテインメント大賞を受け、小説も多く発表している。十勝毎日新聞の「耕土興論」執筆者。

 神田さんは長女(20)、長男(17)を育てる中でPTA活動に10年以上関わった。役員の成り手がなく、くじ引きになり、当たった人が選考委員を前に延々と仕事や親の介護などの辞退理由を発表し合う場面を体験した。PTAの在り方に疑問を感じて調べ、構想を練り、子育てが一段落したのを機に執筆。昨年、「小説宝石」で連載された。

 小説は、息子の中学校のPTA活動に関わる主人公が前会長の不祥事で意思とは無関係に会長に就き、改革に挑む物語。前例踏襲や個人情報保護などの「壁」に阻まれる場面や、教育委員会、PTA連合会などの上部組織の存在も盛り込み、実情を描いている。

 役員選出の戦々恐々とした様子や堂々巡りの会議の場面はリアリティーにあふれ、主人公が現実逃避する憧れのミュージシャンの歌が笑いを吹き込む。「PTA改革は進んでいるが、渦中の当事者は精いっぱい。『親失格』と思わないでとの思いを込めた」

 8月には自身初となる十勝を舞台にした連作短編集が刊行の予定で、昨年は久しぶりに十勝で講談も披露した。「今後もお客さんの反応がダイレクトな講談と、両極にある執筆を両立できれば」と話す。本は197ページ。1500円(税別)。(原山知寿子)

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