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募金1億円を突破 第三音更川橋梁の補修 上士幌

ふるさと納税の効果で補修に必要な費用が集まり、工事に着手することが決まった第三音更川橋梁

 【上士幌】鉄道遺産の保全活動などに取り組むNPOひがし大雪アーチ橋友の会(那須襄太郎代表)が協力を呼び掛けていた旧国鉄士幌線の「第三音更川橋梁(きょうりょう)」の募金が、昨年12月末までに予定金額を上回る1億円以上が集まった。橋を所有する町は来年度以降、設計を行い補修工事に着手する。

 第三音更川橋梁は1936年に建設され、旧国鉄士幌線アーチ橋梁群の1つとして国の登録有形文化財に指定されている。音更川をまたぐ径間は32メートルと鉄筋コンクリートアーチとしては全道一の大きさを誇り、ファンも多い。

 一方で建設から80年以上が経過。コンクリートにはひび割れが生じ、冬場に張った氷が膨脹と収縮を繰り返して劣化が進んでいる。そこで同NPOは貴重な文化遺産を後世に残そうと、2009年度に補修費用の募金を開始した。08年の調査で目標を9000万円に設定したが、当初は思うように寄付が集まらなかった。

 これを受けて町は12年度からふるさと納税の指定寄付の一つとして盛り込んだ。以降、寄付は大きく伸び、16年度は3400万円、今年度は昨年12月末までに2700万円が集まり、総額で1億700万円に達し、8年越しで目標金額を超えた。このため、寄付は今年3月末で終了する。

 補修は来年度設計を行い、着工は再来年度になる見込み。補修には資材費の高騰などさまざまな要因から、費用は当初試算よりも高額になる可能性もある。また、土木遺産の補修については全国的にも例がないといい、今後詳細な調査も必要だ。町商工観光課は「限られた資金の中でどうやって補修するかなどを、関係者と協議しながら決めていきたい」としている。

 同NPOは補修の際には寄付者との交流の機会を持ちたい考えで、角田久和事務局長は「応援してくれた人に関わってもらえる方法を考えたい」と話している。(川野遼介)

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