十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

「十勝会場」に期待 札幌市の冬季五輪誘致表明

札幌市が2026年冬季五輪・パラリンピックの招致に名乗りを挙げたことを受け、本会場や合宿地として浮上する可能性がある明治北海道十勝オーバル

 札幌市の上田文雄市長が27日、2026年冬季五輪・パラリンピック招致を目指すことを正式に表明したのに伴い、冬季競技が盛んな十勝・帯広でも、一部競技の開催や練習会場としての活用を切望する声が上がっている。大会の札幌一極集中を懸念し、「地域の強みをアピールする」という地元関係者の動きが今後活発化しそうだ。

 トリノ、バンクーバー両五輪では、スピードスケート会場が五輪後に多目的施設に転用、活用されている。明治北海道十勝オーバルでの国際大会開催を支えてきた帯広スケート連盟の佐々木通喜理事長は「開催が決まれば札幌でもその流れとなり、帯広で(遠隔地)開催される可能性は低いのでは」と話すが、一方で、開催された場合の波及効果は大きいとみている。

 「五輪は普段、スケートに関わらない人も来るため注目が集まる。子供たちに与えるインパクトも大きく、夢見る環境をつくれる」と佐々木理事長。また、競技役員についても「ISU(国際スケート連盟)以外に国内から40~50人が必要なため、そうなれば資格を持つ人材をどんどん育てなければならない」と話す。

 近年は各世代で国内トップクラスのチームを輩出している帯広アイスホッケー連盟も、開催に期待を寄せる。

 徳岡肇理事長(道連盟理事・総務委員長)は「1972年の札幌五輪を機にホッケーブームとなったが、今は競技人口が減っている。開催につながれば大変うれしい」と話すとともに、「十勝は練習会場としての受け皿になれる」と支援を惜しまない考え。北原英樹副理事長兼競技事業本部長も「日本代表が出場して勝てば、競技者は世界選手権昇格から五輪出場へと目標も変わる。(競技者が多い)十勝への効果も大きい」と認知度アップと競技力向上、活性化に期待する。

 市内経済界も歓迎している。自身もスポーツを愛好する帯広商工会議所の野村文吾副会頭は「海外から北海道を訪れる人が増える。十勝はスピードスケートやホッケーも盛ん。大会が札幌一極集中にならないよう地域の強みをアピールしたい。世界の一流選手と間近に接することで、子供たちにも良い影響になるだろう」と話す。

 冬季五輪は2018年に平昌(韓国)で開催されることが決まっており、22年も北京とアルマトイ(カザフスタン)の争い。20年夏季大会の東京も含めてアジア開催が続き、大陸間のバランスから招致は難しいとの見方もある。

 26年冬季五輪の開催地は、19年の国際オリンピック委員会総会の投票で決まる。日本オリンピック委員会が札幌を開催候補地として認定し、立候補の手続きに入るのは17年の見通し。本格的な招致活動に向けて、札幌市は来年度から体制を強化するという。

更新情報

関心高いが争点に乏しく 投票率は85~90%か~広尾町長選

紙面イメージ

紙面イメージ

4.18(木)の紙面

ダウンロード一括(72MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

前の月 2024年4月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME