2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

ととのえる、春(5)「知りたい、老舗理容室の今~理容セイノ、メンズヘアーサロンアキタ」

創業70年
理容セイノ

確かな技術で支持されている清野昌高さんと妻のエミさん(右)。エミさんは先代の芳高さんの最後の弟子


独自のサービスで髪も心身もすっきりと
 1952年創業の理容セイノ。2代目の清野昌高さんは「カットの後は血行を促進するため簡単なマッサージも施し、髪だけでなく心身をすっきりしていただくのが当店独特のサービス」と話す。父で先代の芳高さんからその技と心を引き継いだ。

 昌高さんは京都造形芸術学院(現京都芸術大学)在学中に、父が市議会議員として奔走する姿を見て家業を継いだ。現在、息子の共平さんは美容師として活躍。「理容と美容が一緒にできるサロンが出来たら」と、創業100年への展望を見据えている。

1958年の同店の様子。貴重な写真に思い出話に花が咲く

耳穴のまわりの毛をそる穴刀(あなとう)というカミソリを、年季の入った牛革で滑らかに整える。替え刃式のカミソリが多い中で、今でも唯一自ら刃を研ぐカミソリだという


ココがカッコイイ
 眉毛に耳毛にうなじ…。自分では手入れが難しいところをきれいに整えていると清潔感があり、好印象です。

<理容セイノ>
帯広市大通南8丁目2-3
Tel:0155・23・5304
営:9時~17時30分、日曜祝日は9時~17時
休:月曜、日曜は月2回不定




創業63年
メンズヘアーサロンアキタ

秋田光紀さんは東京で7年間の修業したのち家業を継いだ。娘の紀恵さんの個性的な髪型は「広告塔」と光紀さん


親子で紡ぐ理容の心
 浦幌で1960年創業のメンズヘアーサロンアキタ。浦幌では米国沿岸警備隊の施設として「ロランC」が1963年に設置され、管理が米国から日本に移管した93年まで外国人の利用がとても多かったという。

 現在は地元客が中心だが、2代目を継ぐ秋田光紀さんの技術を求めて管外から訪れる客も。光紀さんの娘で3代目の紀恵さんは、父の姿に憧れて子どもの頃から理容師になるのが夢だったそう。お互いの髪で練習するなど今もなお、親子二人三脚で技を高め合っている。

ロランCの壁掛け時計は、当時、交流が深かった日本人のうち4人にのみ贈呈された貴重な品だ。外国人と酒を飲むなど「華やかな時代」と光紀さんは振り返る

先代が使用していた道具。バリカンの扱いに長けていたという


ココがカッコイイ
 消毒液で荒れた手肌をハンドクリームでケアを。マスクをしている時に表情の要となる眉や目元も整えて。

<メンズヘアーサロンアキタ>
浦幌町桜町16
Tel:015・576・2145
営:8時~19時
休:日曜・第3月曜


※フリーマガジン「Chai」2023年3月号より。
※撮影/辰巳勲、鎌田廉平。写真の無断転用は禁じます。