2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

牛乳サイコー!最高&再考(1)「どうして?!『酪農王国・十勝』」

 栄養豊かな飲料として親しまれている「牛乳」の一大産地がここ、十勝。いつも飲んでいる牛乳が近隣の牧場で搾られているなんて、全国的に見ても少ない特徴だ。牛乳を知ることは、十勝を知ること。まずは牛乳と十勝の関係をおさらいしよう。

十勝で酪農が盛んになったワケ
<人>

 1883年に依田勉三を中心とする「晩成社」が帯広に入植し、十勝の開拓が始まった。その後、1896年の植民区画地の開放で移住してきた人たちによって、本格的な開拓が行われた。

<気候>
 十勝の夏は比較的暖かく、冬は寒冷高気圧による低温が続く。沿岸部や山麓部は、降水量が多く、日照時間が短くて気温も低いため酪農が盛ん。一方で内陸部は、日照時間が長く、降水量、積雪量が少ないため畑作に向く。

<頭数>
 1戸当たりの経産牛飼養頭数は123頭で、EU諸国の水準に匹敵する規模。

<生産量>
 十勝は日本国内の17.1%を占める126万8,855tを生産。全体の内訳は全国743万8,218tのうち、全道では全国の55.8%となる415万3,714t。全国に誇る規模と量で国内乳業をけん引している。



そもそも牛乳ってなんだろう
 酪農家が乳牛から搾ったままの乳を「生乳」(せいにゅう)といい、工場で検査や加熱などの加工処理をして初めて「牛乳」になる。生乳は栄養が豊富な半面、傷みやすく保存が利かない。そのため、通常の生乳は新鮮なうちに乳業メーカーで処理・加工し、ほとんど空気に触れることなく衛生的に生産・配送されている。

 牛乳の栄養、おいしさの成分は水分が約88%、乳糖が約5%、タンパク質と脂質がそれぞれ約3~4%ずつ。特に乳脂肪は多いほどコクが増し、乳の香りがより強い。牛乳は三大栄養素をはじめ、各種ミネラルやビタミンをバランス良く含み、カルシウムの主な摂取源として知られている。

※フリーマガジン「Chai」2022年4月号より。
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