2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然tweet@Devon(62)「お盆ですね。英国の信仰」

 夫はクリスチャンですがカトリックではなく、思想は仏教徒に感銘するといういわゆる“無宗教”。イギリスでは近年、無宗教人口が増えつつあります。

 イギリス人はよく「I’m a Christian but not a Catholic」と言います。私個人の見解ですが、クリスチャンは聖書を感じるままに受け入れ習う、カトリックはその規律を重んじる、という感じ。敬虔(けいけん)なカトリックは、婚前交渉や中絶の禁止など昔ながらの制度を守ります。日曜日には必ず教会、仕事はしない。そして輪廻(りんね)転生は信じないそうです。魂は生まれ変わらない(でもキリストが十字架にはりつけられて息絶えても復活する)。

 反対にクリスチャンたちは割と順応的で(笑)「目撃者はいないけど」と言いながらイースター(キリスト復活祭)をお祝いしたり、「次の人生では(生まれ変わったらとは言わず)違う道を…」などと言ったり。同じ宗教でも彼らは季節のお祭りを楽しみ、結婚式とお葬式に教会を利用するくらいでしょうか。そんなカジュアルな信仰の印象ですが、唯一強くキリスト教色を感じるのが“罪を許す”という概念。何十人の殺人を犯した悪人も死刑にはなりません。死刑自体が無いのです。「目には目を、歯には歯を」ということわざはありますが、いかなる人も罪を犯し、その罪は許されるべきなのです。

英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然tweet@Devon
幕別町出身、英国Devon在住のマリノ みどりさんが英国の日常や文化などを紹介するChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2020年8月号より。