2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

Chai酒部「La Table de KAMISHIHORO」

<今回の参加メンバー> 町長の竹中さんと十勝毎日新聞社代表取締役社長の林浩史(前列左から)、karch事業統括部長の中田将雅さん、JAGAのDJ後藤朋子(後列左から)

道の駅内のレストラン 
La Table de KAMISIHORO(ラ ターブル ドゥ カミシホロ)

 6月にオープンした「道の駅かみしほろ」。「上士幌の食卓」を意味する道の駅内のレストランでは、洗練された料理やワインの数々を楽しめます。今回は、上士幌町長の竹中貢さんを囲んで味わいました。


地域食材で最高のもてなし
 こちらのレストランはオープンしてから2回ほど利用しました。

町長 地元の食材をふんだんに使用し、フルコースで提供しています。高級なランチと思われますが、一度食べると満足していただけると思います。

中田 コンセプトは地域の食材を最高の状態で召し上がっていただくことです。

 どんな役割を担っていますか?

町長 まず道の駅ですが、一般的には防災拠点や情報案内が主で、集客の中心はグリーンシーズン。でもここはオールシーズン挑戦していきます。運営するのは町の観光地域商社karch(カーチ)です。稼ぐことを至上命題にし、道の駅にゲートウェイの機能を持たせて町内にどう人を誘導するか。メニューは町の飲食店とかぶらないようにしています。観光と町づくり、観光によるビジネスを考え、そのリード役を担います。

上士幌町長 竹中貢さん


 普通の道の駅の感覚で来ると、料理の価格が高い印象ですが、戦略があるのですね。シェフはどちらから?

中田 ナイタイテラスも担当する総料理長とレストランの料理長は東京のレストランで経験を積んできた方です。同様にサービススタッフはソムリエ資格を持つ方も来ていただいています。

 どのような利用を望みますか?

町長 2000円のコースでも食べ終わるまで1時間くらいかかります。ゆっくりとランチを味わう時間や食の楽しみ方は、町民にも提案したいです。

中田 コースは2000円、3000円、5000円、9000円とありますが、リピートする方はより内容が充実したコースを選ぶ傾向です。

温度管理を徹底、フランス直輸入のワイン
後藤 さぁ、料理が出てきましたよ。まずは乾杯!

※写真はコース料理のイメージです


 ワインのこだわりは。

中田 フランスの直輸入ワインがほどんどです。生産した場所から温度計を入れて輸送し、徹底した温度管理を行った状態でこちらのワインセラーまで届きます。そうすることでワイン本来の持つ味わいや色、風味を保つことができます。

(ここでソムリエが登場し、話を聞く)

後藤 ワインのことを気軽に教えてもらえるのですね! 町長は普段何を飲まれますか?

町長 いや、年ですからね。家では芋焼酎から始まり、2杯目でワイン、3杯目は焼酎で終わると。

後藤 戻るのですね(笑)。

中田 道の駅ではソムリエの話を聞きながら、ワインの試飲を楽しむ教室も始めました。町長にも参加してもらう予定です!

町長 10回くらい聞かないと頭に入らないなぁ(笑)。

地元の素材を生かし、ワインとマリアージュ
後藤 前菜の「北海道産ニジマスの炙り カルパッチョ仕立て」はいかがですか?

 しっとりと脂が乗っていて、イクラが合います。魚料理だけど重めの白ワインにぴったり。でもこれ1人前ですか? ボリュームもありますね。

十勝毎日新聞社代表取締役社長 林浩史


後藤 十勝産トウモロコシのポタージュはどうですか? 甘味はトウモロコシの甘さだけだそうです。

 色が鮮やか。カボチャだと思っていました。

町長 濃厚。これだけでおなかいっぱいになるね。

中田 トウモロコシの前は、ピンクのビーツのスープを提供していました。どちらも地元の生産者から直接いただいた野菜です。

後藤 外から来たシェフだからこそ、十勝産食材を使う斬新なアイデアが楽しいですね。魚料理はどうでしょう? 本日の魚はアイナメで、ロゼに合わせます。

店内にはワインセラーを設置し、約40種のワインを管理しています


 僕たちはアブラコって言いますね。

町長 アブラコですよ。僕は漁師まち育ちです。だいたい市場に出ていかない魚で、自宅ではせいぜい煮物にして食べる。でもこういう風にしたら全然違う。

 本州では割と高級魚ですよ。

後藤 アブラコというよりはアイナメという方がおしゃれ! そして十勝ハーブ牛のメインディッシュが登場です。

 どうですか?

後藤 赤身なので、肉そのもののおいしさが味わえますね。肉の下のジャガイモ、上に載ったゴボウも十勝産で、彩りがあります。赤ワインが合いますね。

 地元の素材をしっかり生かして、おいしいだけでなくワインとマリアージュしている。地元視点ではなく、中央視点で作っているのがよく分かるコース。ソムリエが十勝・上士幌の食材に合うワインを上手に合わせてくれている。アイナメとロゼの組み合わせが一番好みかな。

後藤 最後に町が取り組む「持続可能な開発目標」(SDGs)について教えてください。

町長 地方の町は明確なメッセージがないと関心を持たれない。そのメッセージとして町もkarchもSDGsを意識した町づくりに取り組んでいます。食料やエネルギー、福祉や生涯活躍、次世代高度技術の実装によるスマートタウンに向けての取り組み、住み続けられる町づくりを実現していきます。

(左から)料理長の飯田裕さん:東京のロイヤルパークホテルなどを経て、昨年9月に十勝へ。「地元食材とカジュアルヨーロピアンを融合させたコースをどうぞ」、ソムリエの橋本由輝さん:首都圏で飲食業を中心に20年以上勤務し、4月に来勝。「ワインについて気軽にお尋ねください」


【今回味わったコース】
〈Ciel〉(全7品、食後のドリンク付き)5,000円(税別)
 前菜からデザートまで、上士幌のおいしさをぜいたくに楽しめるコース。ワインはお好みを選びました。今回のワインはすべてフランスの自然派生産者ロルジュエル氏のブドウを使用。気軽な〈グラスワイン〉赤・白共に700円(税別)もあります。

◆Amuse
 はじまりの一皿
◆Appetizer
 “北海道産ニジマス”の炙り カルパッチョ仕立て~鱒イクラと共に~
◆Bread
 トカトカのオリジナルブレッド
◆Soup
 “十勝産”トウモロコシのポタージュ
◆Fish Dish
 本日の魚と北海道産ツブ貝のポアレ、旬菜のベニエ添え
◆Main Dish
 “十勝ハーブ牛”赤身肉のグリエ マディラソース~十勝産ゴボウフリットと共に
◆Dessert
 シェフおまかせデザート盛り合わせ
◆Coffee or Tea
 “上士幌産”大豆コーヒー、コーヒー、エスプレッソ、紅茶から一品

★ワインとの組み合わせ
◇前菜〈“北海道産ニジマス”の炙り カルパッチョ仕立て~鱒イクラと共に~〉
+〈2019レ・テラス・シャルドネ IGP オック〉3,800円
 ニジマスをマリネし、表面をあぶって香ばしさを出した。鱒のイクラを添えて、クリーム系のドレッシングと一緒にどうぞ。洋ナシや熟したリンゴの果実味が強い白ワインは、バニラを思わせる樽の香りとまろやかな酸味のバランスがいい。


◇スープ〈“十勝産”トウモロコシのポタージュ〉
 上士幌産を中心としたトウモロコシの甘味を楽しむスープ。


◇魚料理〈本日の魚と北海道産ツブ貝のポアレ、旬菜のベニエ添え〉
+〈レ・テラス・ロゼ〉3,800円
 アイナメに道内産のツブとキノコをソテーしたソース、上に春菊のフリットを添えた。ロゼはフレッシュなイチゴの赤系果実の香りと、生き生きした酸味が特徴。ソースはバターのほか酢も入り、ロゼのシャープな酸と合う。


◇メイン〈“十勝ハーブ牛”赤身肉のグリエ マディラソース~十勝産ゴボウフリットと共に〉
+〈シャトー・シフル・テロワール・ダルティチュード・サンシニアン〉6,000円
 上士幌産の十勝ハーブ牛をグリルし、マディラ酒を煮詰めたソースでいただく。赤身肉のうま味を楽しむ一品。ワインはジャムのような赤系果実、カシスなどの黒系果実の風味がある。渋みがなめらかで余韻が長く、マディラソースと相性◎。


★その他のおすすめワイン
〈2017シャンボール・ミュジニー〉16,500円(手前)、奥右から〈2015ブルゴーニュ・ルージュ〉12,000円、〈2015ブイィ・フュッセ・ジュリエット・ラ・グランド“ボトリティス”〉17,000円、〈NVレ・ジャルダン・デュ・メニル・グラン・クリュ〉11,000円
※各税別


【Information】
●木曜限定 道の駅1DAY教室

レストランでは10月から、ワインや料理について学べる教室をスタート。詳細は道の駅に問い合わせを。

<11月>
・5日 18時~ 道コン~道の駅から生まれるあらたな出逢い
 道の駅で新たな出会いを。レストランではおつまみや飲み物を用意。 料:男性5,000円、女性2,000円
・12日 18時~ ラ・ターブル・ドゥ・かみしほろ シェフ飯田の料理教室
 家庭で作れるようにアレンジした前菜やメイン料理、デザートを学びます。 料:4,500円
・19日 18時~ Wine Bar-ラ・ターブル・ドゥ・かみしほろ-
 ボージョレヌーヴォーを楽しむ会。十勝ハーブ牛と一緒に飲み放題で乾杯! 料:5,500円
・26日 18時30分~ ワインセミナー~アルザス地方~
 アルザス地方の高貴品種リースリングを中心に学び、郷土料理と一緒に楽しみます。 料:7,000円

<12月>
・3日 18時~ Xmasに向けて~フランスのXmasの過ごし方~
 家庭で楽しめるフランスのクリスマス料理の説明を聞き、定番の料理を味わいます。 料:5,000円
・10日 18時~ Wine Bar-ラ・ターブル・ドゥ・かみしほろ-
 ワインバーとなったレストランで、シャンパンやワインと合わせたディナーをどうぞ。 料:4,800円
・17日 18時30分~ ワインセミナー~チーズとワイン~
 チーズやワインとの相性を学び、チーズを使った料理とワインを味わいます。 料:7,000円

●金曜夜限定! 夜のディナープラン
・飲み放題付き「宴会プラン」
 料:7,000円~、15名様以上
・ディナーコースプラン
 料:10,000円~、10名様以上
※各税別、7日前までに要予約

●クリスマスディナーコース
12月24日、25日、各20名
料:10,000円 ※税別、11月から予約受付

<道の駅 かみしほろ>
上士幌町上士幌東3線227-1(国道241号線沿い)
Tel:01564・7・7722
営:9時~17時(4~10月上旬は~18時)
休:年末年始

<レストラン La Table de KAMISHIHORO> 
営:ランチ/10時30分~15時、カフェ&バータイム/15時~17時 休:年末年始

Chai酒部
Chai編集部や十勝毎日新聞社のメンバー、FM-JAGAのDJなどが十勝でおいしいお酒を飲める店を訪問する不定期の連載企画です。

※フリーマガジン「Chai」2020年11月号より。
※撮影/辰巳勲。写真の無断転用は禁じます。

酒部

 Chai編集部や十勝毎日新聞社のメンバー、FM-JAGAのDJなどが十勝でおいしいお酒を飲める店を訪問する不定期の連載企画です。

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