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和牛ほ育管理の改善と繁殖牛(第11回全共代表牛)の 栄養コントロール ~飼料設計と体重測定を活用して~

十勝農業改良普及センター 太田 成俊

1.活動のねらい
(1)和牛ほ育管理の改善 (更別和牛素牛の市場性の向上) 
    購買者ニーズにあった肥育素牛生産を目指し、関係機関(JAさらべつ、試験場、十勝農協連など)と
連携し、定期的に技術的な現場検討を実施した。ほ育管理の改善を中心に技術的支援をした。
(2)繁殖牛(第11回全共代表牛)の栄養コントロール 
    平成29年9月宮城県で開催される全共出品のため、候補牛選びが行われた。繁殖牛では更別和牛改良組合から第5区(繁殖牛群4頭)で1頭選抜され、北海道代表牛に向け関係機関(JAさらべつ、十勝農協連)と連携し、栄養コントロールの支援をした。

2.活動の経過
(1)和牛ほ育管理の改善(更別和牛素牛の市場性の向上) 
    JAさらべつ及び関係機関と連携し、定期的に現場検討(写真1)を実施した。人工ほ乳管理の対象農家2戸に対して、平成28年6月と9月に代用乳銘柄の変更と給与量の増加(図1)を普及センターから提案した。対象の2戸とは、改善結果を確認すると共に、合意を取りながら管理の変更を進めている。巡回直後の参者全員ミーティングで意見を出してもらい、農場への提案書と発育結果グラフを普及センターで作成し、提案する活動をした。
(2)繁殖牛(第11回全共代表牛)の栄養コントロール 
    4月の十勝選抜会において、更別和牛改良組合から第5区(繁殖牛群4頭)に1頭が代表牛となった。6月の北海道最終選抜会、9月の第11回全国和牛能力共進会出品に向けた支援をJA及び十勝農協連と連携し実施した。JA職員が主体となって毎朝行われている調教に4ヶ月間週2~3回程度参加し、肉付きの把握と栄養コントロールを提案した。また体重を実測し(写真2)、生産者に対し数値で体重の変化を提示した。体重増加の変化から、粗飼料が変更されていたことがわかり(図3)、再度飼料設計による栄養管理を再提案した。


3.成果の概要
 (1)和牛ほ育管理の改善(更別和牛素牛の市場性の向上) 
     2戸とも良好な発育が確認され、うちA農家は、ほ育管理を変更したことにより、市場平均DG 以上頭数割合が高く(23.6→56.1%)なった。また出荷日齢も早くなり、DG も増加した(図2)。
 (2)繁殖牛(第11回全共代表牛)の栄養コントロール
     現状より太らせてはいけないことが課題であったため、飼料設計により給与すべき粗飼料の原物量をはかりで実測し(写真3)、配合飼料給与をやめ、不足するビタミンを給与する適切な管理に変更した。
     日々の調教運動と栄養コントロールにより、体重を適切に保つことができ9月の全共当日は最も良い状態で出品することができた。

4.留意点
 ほ育管理については、生産者との合意(発育目標や労働など)を取りながら検討する必要がある。和牛繁殖牛の栄養管理は、農場の既存施設(群分けや連動スタンチョンの有無)を考慮すべきである。



詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
十勝農業改良普及センター 太田 成俊
電話(0155)67-2291  FAX(0155)67-2091
E-mail:oota.naritoshi@pref.hokkaido.lg.jp

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