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膵臓がん診断 十勝モデルを 帯広市医師会がプロジェクト

尾道の膵臓がん早期診断プロジェクトについて話す花田医師

早期発見、死亡率減目指す
 帯広市医師会(稲葉秀一会長)は「膵臓(すいぞう)がん早期診断プロジェクト」を立ち上げ、管内の医療機関や市民への周知活動を始める。膵臓がんは早期発見が難しく、診断から5年後の生存率が部位別がんの中で最も低いとされる。早期発見で成果を上げている広島・尾道市医師会の取り組みを参考に管内の病院が連携し、「十勝モデル」の構築を目指す。

 北海道健康づくり財団の調べでは、膵臓がんの管内のSMR(標準化死亡比=全国を100とする)による死亡率は、帯広市で男性が141・5、女性121・4など、管内19市町村の大半で全国平均を大きく上回っている。このため、帯広市医師会は、今春から早期診断プロジェクト立ち上げを検討していた。

 11月28日には、JA尾道総合病院消化器内科の花田敬士医師を招き、関連の学術講演会を開催。十勝管内の医療関係者に幅広く参加を呼び掛け、約80人を集めた。花田医師には「膵がん早期診断の最前線」と題して尾道市医師会の活動と成果を話してもらい、早期発見に向けた知見を深めた。

 尾道市医師会が推進している膵がん早期診断プロジェクトは、超音波内視鏡などの先端機器を持つ総合病院と、地域の医療機関が連携し、早期発見に取り組むもの。糖尿病や喫煙などの高い危険因子を持ち、血液検査やエコーなどで罹患(りかん)の疑いのある患者の情報を共有したり、紹介を促進したりする。

 花田医師は「2007年から始めたプロジェクトが少しずつ成果を上げ始めている。十勝の皆さんにも、アイデアを活用してもらえれば」と話した。

 帯広市医師会では尾道をモデルに、帯広厚生病院などを中心に管内の病院が連携し、十勝の早期診断プロジェクトをつくり、膵臓がんによる死亡率の低減に取り組む。近く開かれる理事会で医師会事業として正式に決定する。(奥野秀康)

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