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松月堂 愛され1世紀 本別の菓子店「次の100年も」

創業時から定番の「しいたけ羊羹」(左)と現在人気の「元気くん最中」を手にする佐藤社長

 【本別】お菓子の「松月堂」(町北3、佐藤隆史社長)が創業100年を迎えた。和菓子が途切れそうなピンチもあったが、今なお親しまれる店舗運営を続けている。曽祖父から4代目、佐藤社長(36)は「さらに足跡を残し、200年に向けたお菓子をつくって次世代につなぎたい」と話す。

記念イベントを企画
 神奈川県の菓子店「松月堂」で働いていた創業者佐藤竹次郎さんは、1917(大正6)年、本別に嫁いだ妹に続いて来町し、現在の松月堂を開いた。「しいたけ羊羹(ようかん)」と「しいたけ最中」が主の和菓子店だったという。

 佐藤社長は、祖父一夫さんを継いだ3代目の父喜一郎さんから15年前、21歳で思わぬバトンを受け取った。「当時は札幌の洋菓子店で修業中、そして結婚式でのことです」と振り返る。この時喜一郎さんは病床にあり、式当日に「親父がいなくて」とその事実を知った佐藤社長は、新婚旅行をキャンセル、挙式後すぐに本別に戻った。

 「高校生のころ、漠然と店を継ぐのだろうと感じていた」。ところが、父は昔の職人、レシピは頭の中だけにある。「亡くなるまでの2週間、毎日病院へ通い、メモを取った」

 洋菓子はまだいいが、和菓子がうまくいかない。店を継いで1、2年の売り上げは激減した。そんな時、かつて町内で菓子店を営んでいた千葉民彌さん(81)が心配し、あんの錬り方など基礎知識を教えた。「旭川にも学びに行ったが、千葉さんは恩人です」と佐藤社長。

 創業時の和菓子のほか、「元気くん最中」や「くり豆羊羹」、そして父の形見「しふぉんけ~き」も看板メニューになった。母勝恵さん(68)、妻弘美さん(38)を中心に店を運営、来年は「100年祭」のような企画を検討している。佐藤社長は「妻も含め、いろいろな方々にお世話になった。できるかどうか分からないが、100年記念の商品を考えてみたい」と語る。(木村仁根)

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