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18歳選挙権~政治は身近ですか(2)「10代の本音」

候補者が貼られていない選挙ポスターの掲示場を見つめる若者。彼女らにはどんな将来が見えているのか(折原徹也撮影)

若者の声 届くのか
 「投票権が与えられて良かった。人生初の選挙は緊張するが、意思表示する重要な機会だから」。帯広畜産大学2年の杉本優香さん(19)は、選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げを歓迎する。

 選挙権年齢の引き下げは1945年に「25歳以上」から「20歳以上」となって以来、約70年ぶり。全国の18、19歳約240万人が新たな有権者となる。家族や友人と政治を話題にする機会が増えるなど、十勝管内でも10代の意識は高まりつつある。 

関心に温度差、戸惑いも
 帯広市内のスーパーに勤務する山口りなさん(19)もその1人だ。社会人として働く中、生活と政治の関わりを意識する機会が増えた。客との会話でも出る消費増税の行方が気になり、「自分の支出が増えるし、仕事では値札の張り替えも大変。2度も増税が延期されて分かりにくい。延期ではなく、中止の方が良い」と語る。祖父母を介護する経験から、介護施設の利用料金は高く感じ、改善も求める。

 既に投票先を絞った若者も。インターネットで積極的に情報収集する同大1年の唐沢友裕さん(19)は「各政党は一長一短がある。将来どんな日本にしたいのか、自分の思いに一番近い政党を選ぶ」とする。

 一方で、突然、有権者になったことに戸惑いを隠せない人もいる。「選挙権を得たイメージが湧かない」と音更町の会社員安田勇希さん(18)。同大1年の鷹木希世さん(18)は「有権者になったのが2年早まっただけ。少子高齢化が進み、数の少ない若者の意見は社会に反映されるのだろうか」と不安を口にする。

 昨年成立した安保法制をめぐり、学生団体が国会周辺で抗議活動を行うなど、政治に関わる若者は存在感を示している。ただ、「テレビの中の世界」と冷めた見方もあり、政治に無関心な管内の女性(18)は「もっと学校で、政治に興味を持てる機会があれば違っていたかもしれない」と漏らす。

 自分たちの代表を送り出す意識が低いとみる管内の政党関係者は「若者が選挙で反乱を起こさなければ、投票率の高い高齢者に手厚い政策が続いていくだけ」と意識改革を促す。

 有権者としての自覚が芽生えつつある若者がいる半面、投票への不安や政治への無関心さを口にする姿など温度差はある。若者が自らの意思で一票を投じるための、働き掛けが求められている。(池谷智仁、小縣大輝)


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