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大樹で火星探査飛行機実験 JAXA

火星探査飛行機実験について説明するJAXA大気球実験室の吉田哲也室長

 【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日、町多目的航空公園内の大樹航空宇宙実験場で今年度予定している実験計画を説明した。大気球は8機放球予定。新たな試みとして火星探査用飛行機の高高度飛行試験を行う。気球につり下げた模型機を大気の温度や気圧が火星と似ている高度35キロ付近から飛行させ、速度、圧力などのデータを収集。将来的な航空機による火星探査の実現につなげる。

 大気球実験は第1次(5月7日~6月23日)に6機、第2次(7月30日~9月22日)に2機を放球。昨年、上空の風の影響で第2次気球実験の全てを見送ったことから、第1次に実験を集中させた。最初の放球は5月中旬ごろとみられる。

 第1次の火星探査に関わる実験では、航空機の模型(長さ2メートル、幅2・6メートル、重量3・5キロ)を飛行させる予定。氷点下50度など火星と同様の大気環境下で飛行可能かどうか確認するなどし、2020年代前半の打ち上げを目指す次期火星探査計画の実現を図る。

 この他、高度33キロでの小型望遠鏡を使った惑星大気観測(第1次)や気球用フィルムとして世界最薄のポリエチレンフィルム(2・8マイクロメートル=千分の2・8ミリ)を使った気球で世界最高高度(55キロ)に挑む実験(第2次)など昨年中止になったものを中心に行う。

 航空関連では小型固定翼無人機を活用した放射線モニタリング(監視)システムの本格的な飛行試験を行う。福島第一原発周辺の放射線量観測を目指す原子力研究開発機構と昨年から初めて取り組み始めたもので、線量モニタリング機材を搭載した小型無人機で通信や線量計測がスムーズにできるか確認する。一度きりしか使えなかったロケットを繰り返し活用する「再使用観測ロケット」の開発に向けた試験も行う。
(関根弘貴)

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