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JAXA、大樹で「はやぶさ2」実験

「はやぶさ2」のイメージ図(JAXA提供)。大樹では小惑星着陸時に使われる装置の実験を行う

 【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月下旬、町多目的航空公園で小惑星探査機「はやぶさ2」に関する実験を行う。JAXAが大樹で同機の研究開発に向けた実験に取り組むのは、2010年に地球に帰還した「はやぶさ」を含めて初めて。小惑星に着陸する際に使う装置の正確性をチェックする。関係者によると、「小惑星の表面物質を持ち帰る」というミッション(目的)を成功に導く重要な実験となる。

 JAXAによると、「はやぶさ2」は「太陽系の誕生の謎に迫る探査機」。有機物や水が含まれていると考えられている、地球と火星の間にある小惑星の表面物質を持ち帰る。成功すれば、太陽系が生まれた頃(約46億年前)に存在していた水や有機物について知ることができるとされている。小惑星の表面に人工的なクレーターを造ることにも挑む。打ち上げは2014年。小惑星到着が18年、地球帰還は20年の予定。

 大樹では「はやぶさ2」が小惑星に着陸する際に地面との距離を測る装置「LIDAR(ライダー)」の実験を行う。レーザー光線を発射し、地面に当たって帰ってくる時間から距離を導き出す装置。同機の下部に搭載され、(1)「はやぶさ2」を安全に接近・着陸させる(2)小惑星の表面を科学観測する-など重要な任務を担う。「はやぶさ」の時代から研究・開発を継続していた。

 実験では滑走路(1000メートル)に同装置を設置。レーザー光線の発射位置を変えながら、正しく距離を測定できるかどうか複数のパターンで確認する。実験に適した環境があり、宇宙に理解のある土地柄でもあることから、大樹が実験場所に選ばれた。27~31日の5日間、JAXA、「LIDAR」を製造しているNEC(本社東京)、LIDARの研究に協力する千葉工業大からスタッフ計10人が来町し、滞在する。

 JAXAの水野貴秀実験リーダーは「今回が集大成。実験でフライトモデル(実際に宇宙に打ち上げるもの)として確定させたい」と意気込んでいる。
(関根弘貴)

 JAXAは、「はやぶさ2」に名前やメッセージを載せる「星の王子さまに会いにいきませんかミリオンキャペーン2」を行っている。参加者を募集中。

 「はやぶさ2」に搭載する小惑星着陸時の目印(ターゲットマーカー)と、再突入カプセルのメモリチップに名前などを記録。ターゲットマーカーは小惑星の表面に留まり、メモリチップは地球に帰還する。

 JAXAの「はやぶさ2」ホームページ(http://b612.jspec.jaxa.jp/hayabusa2/index.html)の応募フォームから申し込む。締め切りは7月16日。問い合わせはJAXA広報部(03・5289・3650)へ。

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