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大樹で8月、大気圏再突入の画像観測

 【大樹】21日に種子島宇宙センターから打ち上げ予定のロケットに搭載される大気圏再突入時のデータ収集用小型カプセル「i-Ball」に関し、同カプセルを独自開発したIHIエアロスペース(本社東京)は、カプセルから送られてくる一部のデータ受信を町多目的航空公園で行う方向で町など関係機関と調整を進めていることが分かった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション(ISS)補給機「こうのとり(HTV)」3号機とともに飛び立ち、HTVが再突入する8月下旬に空力破壊の画像をキャッチする。再突入時の画像観測は世界初の試み。

 「i-Ball」は宇宙機やロケットが大気圏に再突入したときの廃棄処理過程を観測するもので、大気圏で宇宙機やロケットの破壊が始まる高度や温度などのデータを集めて地球に帰還する。宇宙での実験データを携えて地球に戻れる新型ロケット開発につながる他、着水点情報も取得できるため正確な落下範囲の予測が可能になると期待されている。

 同公園ではカプセルに設置されたカメラが撮影した画像データなどを受信する。撮影画像は公開する予定。カプセル内部の温度計測や着水位置データなどは同社の富岡事業所(群馬)などで確認する。

 同社は昨年2月と今年5月の2回、町内で「i-Ball」実用化に向けた高空落下試験、着水試験、洋上通信試験、低温作動試験を実施。大樹での通信試験結果が良好だったこと、大樹がカプセルの生まれ故郷といえることなどを理由に大樹が受信場所に選ばれたとみられる。
(関根弘貴)

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