2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

てくてく名店さんぽ(31)「松久園」

立派な梁(はり)と美しい白壁、42畳の大広間。重厚な農家住宅を改装した店舗は、「芽室遺産」に認定されている。「ニジマス料理と一緒に雰囲気も味わってほしい」と代表の松久大樹さん

畳の広間で新鮮なニジマス料理を
 「『昔、行ったことがある』とよく言われますが、今も変わらず元気に営業しています。ドライブがてらにお立ち寄りを」と話すのはニジマス料理で有名な松久園の4代目代表・松久大樹(たいき)さん。青年海外協力隊員として2年間、南米のパナマに派遣され、20年前に帰国して後を継いだ。

 明治時代に岐阜県から入植した初代市治氏は農業とでんぷん工場で財を成し、大正7年に豪邸を建設。二代目の正光氏がニジマスの養殖を始め、成功したものの売る先がなかったため、釣り堀と料理店を始めたのが松久園の幕開けだ。

 いけすから出した魚を活締め、すぐさま調理する。「鮮度」へのこだわりは代々、受け継がれている。「から揚げやあらいなどは生きがよくなければできない。そういった料理を提供できるのは、うちの強み」と胸を張る。から揚げと自家製そばのセット〈天空〉1280円が1番人気。大樹さんは「コロナ禍ですがドライブと、おいしいニジマス料理で気分転換を」とPR。弁当などのテイクアウトも充実している。

メニューの中でも最もストレートにおいしさが伝わるのが刺身。色と表面のツヤが鮮度の良さを物語る

大正7年に建設された店舗の上棟式。木材をふんだんに使用して建てられた大きな住宅からは当時の繁栄がうかがえる


<松久園>
芽室町美生1線20
Tel:0155・65・2321
営:11時~15時
休:水曜


てくてく名店さんぽ
帯広や十勝の町の名店を紹介する、Chaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2022年4月号より。
※撮影/鎌田廉平。写真の無断転用は禁じます。