2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

きままなキミと、今年も(7)「寅年の主役 アムールトラ『マオ』です」

「年女」のマオ。アムールトラはトラの中でも大型で毛足が長い。寒さに強く、道内は他、旭山動物園や釧路市動物園に各4頭がいる

 寅年と言えば、おびひろ動物園のネコ科・アムールトラ「マオ」を忘れちゃいけません!マオの素顔について、教えてもらいました。

 しなやかで美しい体に、ときおり見せる無邪気な表情や仕草。おびひろ動物園の人気者「マオ」は8年前、東京の多摩動物公園からやって来た。2010年の寅年、七夕に生まれた〝乙女〞。帯広には繁殖を目的に動物園間で貸し借りする「ブリーディングローン」で迎え入れている。

 マオは遊ぶことが大好きで、活発だ。獣舎内のプールに浮かぶおもちゃでじゃれたり、獣舎越しに来園者を追ってついて来たり…。一方、繊細な面もあり、毎日4〜7㎏与える馬肉は「土が付くと食べようとしません」と、飼育担当の小林紗央梨さん。風も嫌いで、強風の日は展示場に出て来るのをかたくなに拒む。観察するときは、ストレスを与えないようそ〜っと見守って。

 野生はロシア極東地方の針葉樹林などに生息するが、森林伐採や密猟で、今は絶滅危惧種に指定される。来年は寅年。「いつか居なくなってしまわないよう、考えるきっかけになれば。マオと来園者の皆さんにとってよい一年になるとうれしいです」と小林さん。さぁ、2022年はマオに会いに行こう。

遊んで、眠って過ごすのが日課。ゴロゴロするのも好き

「眠いよ~」

「じ~っ…」キュートな表情だが、実は隠れて獲物を狙っている姿

肉球をパシャリ! 体の各パーツについて学ぶのもおもしろい



<教えてくれた人>
おびひろ動物園 
獣医師 小林紗央梨さん
担当:トラ、リスザル


【おびひろ動物園のトラ歴】
 1963年の開園年には、ベンガルトラのタケル(雄)とヒロコ(雌)を飼育。これまでシベリアトラやアムールトラも合わせて、10頭近くを展示してきた。現在のトラ舎は78年に完成。マオは全国のトラとの繁殖計画を見据えつつ、施設の狭さや老朽化といった課題を抱えながら飼育されている

顔パネルで撮影はいかが?
 干支に合わせてマオの顔をかた取ったパネルを展示場横に用意。マオにあやかって撮影を!


<おびひろ動物園>
帯広市緑ヶ丘2
Tel0155・24・2437
冬期開園:2月27日までの土・日曜、祝日、11時~14時

※フリーマガジン「Chai」2022年1月号より。
※撮影/辻 博希(メイン写真のみ)。写真の無断転用は禁じます。

きままなキミと今年も

 くっついてきて甘えたかと思えば、おいでと呼んでもしらんぷり。独特な距離感で、自由奔放なキミに振り回される。そんな関係が、実はたまらない。もはや憧れすら感じてしまう。2022年、寅年。ネコ科が主役の一年も、きままなキミと、かけがえのない時間が過ごせますように。
※各記事は、取材時のみ特別にマスクを外して撮影しています。

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